ミクロネシア連邦について

ミクロネシア連邦は独立した主権国家であり、ポンペイ州、ヤップ州、チューク州およびコスラエ州の4つの州から成る島嶼国家です。第二次世界大戦後、ミクロネシア連邦はアメリカの信託統治領でしたが、1986年に独立し現在はアメリカと自由連合盟約のもとに連合関係にあり、国際連合にも加盟しています。

 

地域としてのミクロネシアは太平洋の中の広大な面積を占めており、赤道近くまで広がっています。ミクロネシア地域にはグアムやサイパンといったアメリカの自治領と、パラオ、マーシャル、キリバツ、ナウルおよびミクロネシア連邦の5つの主権国家が存在します。ミクロネシア連邦だけを見ても、数百万平方マイルの海に600以上の島々があります。

ミクロネシア連邦の基本情報

【概要】
正式名称:Federated States of Micronesia
首都:パリキール(ポンペイ州)
公用語:英語
面積:総計702㎢
人口:104,468人(2019年現在)
通貨:米ドル

 

【政治】
政治体制:大統領制をとる連邦国家。民主共和制。
大統領:デービッド・パヌエロ
連邦議会は一院制で、4年任期議員4名(各州から)、2年任期議員10名(チューク州5名、ポンペイ州3名、ヤップ州1名、コスラエ州1名)。
米国と自由連合盟約を結んでおり、安全保障及び、一部外交上の権限は米国が保持している。

 

【地理】
太平洋の北半球側、赤道に沿って点在する607の島からなる。東・西カロリン諸島という名称でも知られる。国土面積は702㎢だが、太平洋上の780万㎢以上の海域に散らばっており、東西に約3,200km、南北に約1,200kmに渡って広がっている。
ヤップ州、チューク州、ポンペイ州、コスラエ州の4州からなる。各州は自治権を持ち、それぞれ独特の地形や、生態系、言語、文化がある。
 ・ヤップ州は、4つの大きな島と7つの離島、および134の環礁で構成。
 ・チューク州は、7つの大きな島からなる群島。
 ・ポンペイ州は、ミクロネシア連邦最大のポンペイ島を持ち、土地面積は335㎢。
 ・コスラエ州は、一つの島だけで構成され、面積は110㎢。
ミクロネシア連邦の島々は、数百万年前の火山活動の結果できた島々と無数の環礁から成っている。
ミクロネシア連邦の地図(クリックすると周辺海域の地図が開きます)

 

【気候】
海洋性熱帯気候。一年を通じて温暖。
年間平均気温は27℃で、年間を通じてほぼ一定。
年間平均湿度は80%で多湿。
ポンペイは世界で2番目に雨量が多いと言われており、年間降水量は約10,000ミリ。

 

【言語】
公用語は英語。その他、島独自の言語が話されており、主な言語としてチューク語、ヤップ語、コスラエ語、ポンペイ語などが使われている。島々の言語の中には日本語の言葉も混じっており、高齢者の中には日本語を話せる人もいる。

 

【宗教】
キリスト教が多数を占めている。
 ・50%…カトリック
 ・47%…プロテスタント
 ・3%…その他

 

【旅行情報】

電圧とプラグ: 110V/60HZコンセントは日本と同じ型の差し込みプラグが使えます。電圧が不安定な為、110~120Vまで上がる場合があります。

水: 水飲用には沸騰させた水道水か、ミネラルウォーターをご利用下さい。水道水をうがい、歯磨きに利用しても問題ありません。

時差: ミクロネシア連邦には2つの時間帯があります。ヤップ州およびチューク州は日本時間+1時間、ポンペイ州およびコスラエ州は日本時間+2時間です。

ホテル: 観光客向けのホテルが全州にあります。一泊の宿泊料金は平均85ドル〜100ドルほどです。ほとんどのホテルで主要なクレジットカードをご利用になれます。

レストラン: 日本食、中華、アメリカン、フィリピン、インターナショナル、ローカル料理を扱うレストランが複数あり、バーも全州にあります。ほとんどのレストランで主要なクレジットカードをご利用になれますが、一部利用できないところもあるため、現金(米ドル)もご持参いただくことをお勧めします。

チップ: チップの習慣はほとんどありません。レストランやホテル等、外国人が利用する施設では良いサービスに対し、1~2ドルを渡す場合も見受けられます。

観光: ダイビング、シュノーケリング、サーフィン、釣りなど海でのアクティビティの他、トレッキングや滝めぐり、遺跡観光など美しい自然を満喫できる観光スポットが多数あります。ポンペイ州には、世界文化遺産に登録され、太平洋地域において最大の規模を誇る考古遺跡であるナン・マドール(現地の呼称:ナンマトル)もあります。

ミクロネシア連邦の歴史

ミクロネシア連邦は、数千年前に遡る豊かな歴史を持つ。この島々にはもともと、西方のアジアおよび南方のポリネシアから航海してきた古代の人々が定住していた。西暦500年頃より、現在のポンペイ島に人工島群が築かれ始め、11世紀頃からはポンペイ島全土を王朝が支配するようになった。

 

16世紀から19世紀にかけてはスペイン、ドイツによる統治がなされ、キリスト教の布教が行われた。第一次世界大戦を経て、1920年より国際連盟が日本にミクロネシアの統治を委任。当時は8万人を超える日本人が居住し、インフラの整備、農業や漁業の振興に力を入れたとされる。

第二次世界大戦が勃発すると、ミクロネシアは日本軍の最重要拠点のひとつとなったが、1944年より米軍が攻撃を開始し、終戦と同時に日本の統治は終了した。

 

1947年より、アメリカ合衆国が国際連合からの信託を受け、ミクロネシアを統治。

 

1979年5月、ポンペイ、チューク、ヤップ、コスラエの4州から成るミクロネシア連邦が主権を回復。1986年11月、独立。

1991年、ミクロネシア連邦は国連加盟国となった。